【あらすじ】2015年・アバドンまでのストーリー【解説】

約1年間を通して語られてきたオシリス・シーケンスの物語も、いよいよ5月に迫ったアバドンプライム・アノマリーで結末を迎えようとしています。

2013年に発生したカサンドラ・アノマリーで、キャリー・キャンベルは文明自壊コードの発動を阻止するため自らの命を犠牲にしました。しかし昨年7・8月のカサンドラプライム・アノマリーでは文明自壊コードは回避され、キャリー・キャンベルは生き残り勝利したエンライテンド陣営へと参入しました。

2014年に発生したリカージョン・アノマリーで、ハンク・ジョンソンはリカージョンのループを脱するためアーティファクトの獲得をかけてADAと争い、そして敗退しました。一方、昨年10・11月のリカージョンプライム・アノマリーでは、アーティファクトはハンクの記憶を保存するために獲得され、勝利したレジスタンスはハンクを陣営へ迎え入れました。

2014年のダルサナ・アノマリーでは超次元知性体ナジーアを呼び寄せる信号の送信をめぐって両陣営が戦い、レジスタンスの勝利によってナジーアにこの世界のメッセージが届けられました。今年2・3月のダルサナプライム・アノマリーでは神託をもたらすというアーティファクト「ダルサナ・レンズ」の獲得が争われ、両陣営それぞれがひとつずつを手にする結果となっています。

かつての私たちの歴史と同じようでいて、大きく異なるストーリーを展開してきたオシリス・ユニバースの今後の予想はますます難しくなってきています。しかしそのヒントはやはり過去の物語に隠されているはずです。

※アノマリー周辺の出来事を中心とし、あまり大きくない事件については省略しています。
※同時期に同時進行していた話をわかりやすくするため、時系列がいくらか前後しています。
安定して驚きの長さです。

【ダルサナ終結~証人まで】
エイダ・エスケープ

ダルサナ・アノマリー中にクルーがエージェントたちに託した暗号を発端に、世界各地にミッションが発生。両陣営のエージェントはミッションクリアとともにリンクで通過点を結び、正しいグリフを描き出すことを求められました。これが後に、およそ1年半にわたるクルーとADAとの融合状態を解除する布石となりました。

デヴラ拉致事件

ダルサナ・アノマリー終盤、中国のXM企業ヒューロン・トランスグローバル社は一連の騒動の発端となったデヴラのポータル弱体化ウィルスの入手を目論み、デヴラに接触しました。しかし交渉は決裂し、デヴラは拘束されオーストラリアへと移送されます。デヴラの守護者であるヒューバート・ファーロウは彼女の危機を知り駆けつけましたが無論それは罠で、オーストラリアにあるヒューロンのダークXM採掘施設で二人は何らかの実験に供されようとしていました。二人の危機を救ったのは意外な人物、暗殺者855とヘンリー・ボウルズの二人でした。

ちなみにこの時、855は自身がADAに脳を乗っ取られ、それを克服した過去の体験について語っています。

ヤーハンの正体

ダルサナ・アノマリー中にインドで銃撃戦に巻き込まれたハンク・ジョンソンは、現地でヤーハンと名乗る女性に保護されました。ハンクはヤーハンの知性と貴重で膨大な蔵書とに魅了され、彼女との親交を深めていきます。しかし彼女の正体は長年に渡り13マグナスと敵対してきた秘密結社アンチマグナスのリーダーであり、証人ストーンを手に入れるためにハンクを利用していたのでした。

証人ストーンとは、古代インドで世界の中心と考えられてきた須弥山(メル山)から削れ落ちた石と言われており、その石には今まさに近づきつつあるナジーアがこの世界へ入り込むために、13マグナスの障壁を打ち壊す力があるとヤーハンは考えていました。彼女はハンクの親友でもあるアズマティを人質にとり、かつてハンクがシミュラクラとして甦ったアフガニスタンの13マグナス・ネストへと向かいます。

【証人 2015年2月~3月】
証人ストーン爆発事件

オーストラリアを脱出したデヴラとファーロウはハンクの危機を知り、彼らを追ってアフガニスタンのネストへと向かいました。状況を見守るためエゼキエル・カルヴィンも現地へ赴きます。ナジーアの召喚にはアノマリーの力が必要でした。しかし証人アノマリー初戦でエンライテンドが勝利したことにより、ハンクたちに反撃のチャンスが訪れます。

儀式のさなか、アズマティは隠し持っていた短剣で証人ストーンを破壊して召喚を阻止。その衝撃で周囲に大規模なXM爆発が発生、儀式を密かに見守っていたデヴラとカルヴィンが一瞬にして姿を消しました。アズマティは爆発で崩れた岩の下敷きとなり死亡。そしてハンクは、この時の衝撃でシミュラクラから元の人間へと戻っていたのです。

ナイアンティック研究者の消失、デヴラ・シャードの出現

証人ストーン爆発事件から程なくして、ポータル・ネットワーク上にデヴラの存在を示すパターンを持ったシャードが出現しました。グローバル・シャード戦の勃発です。爆発後のヤーハンの消息はつかめないもののナジーア召喚を諦めているはずはなく、アノマリーはこの召喚の行方とデヴラの運命を決する戦いへと持ち込まれました。結果シャードとアノマリーはともにレジスタンスが勝利し、デヴラはレジスタンスへと与しましたが、彼女が再び姿を表すことはありませんでした。

爆発の影響で消失したのはデヴラとカルヴィンだけではありませんでした。ハンクは失踪したナイアンティック研究者達の手がかりを求めて世界各地を転々とします。一方XM企業3社も研究者たちが残した資産の獲得に動き始め、その過程でカルヴィンがナイアンティック計画の裏で密かに進めていた何らかの計画に気づきます。3社はこの秘密を解明するために協力関係を結びました。

この頃にはこんな出来事もありました。

スキャナーの日本語対応
証人アノマリー最終戦を前に、イングレス・スキャナーが日本語表示に対応しました。

パックマンの出現
アノマリー終息後の4月1日、スキャナー上にパックマンが出現。ナイアンティックが仕掛けたエイプリルフール限定のサプライズ企画でした。

【ペルセポリス 2015年5月~6月】
スタイン・ライトマン(光男)・シャードの出現

5月に入り、ポータル・ネットワーク上に新たにスタイン・ライトマンを示すパターンが検出され、再びシャード戦が始まりました。デヴラ同様にシャードの一部は日本にも上陸し、「光男」の愛称で親しまれ(?)ました。最終的にエンライテンドがより多くのライトマン・シャードを獲得し戦いは終息しましたが、やはり彼が戻ってくることはありませんでした。

ADAとクルーの別離

一方、1月に展開されたエイダ・エスケープ・ミッションによって明らかとなったクルーとADAとの融合解除作戦は進展していました。クルーはスザンナ・モイヤーの助けを借りてADAが求める情報と引き換えに分離への合意を得ようと考え、ついにP.A.シャポーによって融合は解除されました。しかし完全な解除には至らず、クルーの精神にはADAの一部が残ったままとなってしまいます。ちなみにこの時使用されたグリフシーケンス(SAVE - STRONG - MIND - SOUL - BODY - BEGIN - LIBERATE)はエイダ・エスケープの一連のミッションで明らかにされたグリフと同一のものでした。

ハンクの追跡

アレキサンダー大王の伝承からペルセポリスがアンチマグナスのネストであると示唆され、ヤーハンが次に召喚を行うのはその地であると睨んだハンクは彼女の捜索に向かいました。しかしデヴラの元同僚ポール・スクールが聞いたというメッセージや、現地でドキュメンタリー「ノマド」を撮影中に遭遇したデヴラの幻影から再三の警告を受け、ハンクはヤーハンの捜索を断念しました。

この頃にはこんな出来事もありました。

ビハインド・ザ・スキャナーへのキャラクター出演
エージェント @RedSoloCup が主催するYouTubeコンテンツ「ビハインド・ザ・スキャナー」にストーリーの重要人物がゲスト出演し、エージェントたちから寄せられた質問に答えました(残念ながら日本語の字幕はないのですが...)。

4月24日:スザンナ・モイヤー(32分35秒ごろから)
5月22日:エドガー・アラン・ライト(25分55秒ごろから)
5月28日:P.A.シャポー(32分42秒ごろから)

ソフトバンク・ウルトラリンクの登場
IQテック・イーストを率いる司アキラがソフトバンクに技術協力し、新たにソフトバンク・ウルトラリンクを開発しました。

ADAシャットダウン事件
ペルセポリス・アノマリー終息後の7月、サンディエゴのコミック・コンにクルーとP.A.シャポーが現れました。この時クルーはかつてのADA開発者ヘンリー・ボウルズと連絡をとっており、ヘンリーと855の計画に協力することを明かしています。この計画が実行されたのは8月、先に紹介したYouTube番組「ビハインド・ザ・スキャナー」にADAが出演中のことでした。動画の2分16秒ごろから映像が乱れ、奇妙なメッセージを残して応答が途絶えてしまいます。

【アバドン 2015年10月~12月】
エゼキエル・カルヴィンの秘密

7月、IQテック・イースト社のアヴリル・ロラゾンは、失踪したエゼキエル・カルヴィンがナイアンティック計画の裏で密かに進めていた計画についての手がかりを掴みました。8月にはスザンナ・モイヤーが、ナイアンティック計画の始まりに関わる「アバドン」というキーワードを入手、独自に調査を始めます。クルーは活発にGoogle+上に考察を投稿し、彼女もアバドンの真相へと近づいていきます。

研究者シャードの出現

そんな中アノマリーの日程が発表され、新たに「フラッシュシャード」というルールが追加されたことが知らされました。半ば予想されていたことではありましたが、現れたシャードとは証人ストーン事件で姿を消していたナイアンティック研究者達だったのです...。

アバドンの全容解明

10月、タイコがナイアンティック計画の経緯を描いた「イングレス:オリジン」、そしてこれまでP.A.シャポーらによって公開されてきた調査資料をまとめた「ナイアンティック・プロジェクト・ファイル」第3巻が発売されました。これらを改めて精査したP.A.シャポーは、アバドンの全容についてひとつの結論にたどり着いたのです。

ナイアンティック計画の目的とは、CERNのポータル上に「マグナス」を構築し、ハドロン衝突型加速器によって過剰供給に陥らせること だった。

すなわちXMの研究を名目にナイアンティック計画を立ち上げ、自ら選出した自分を含む13人の研究者たちをシミュラクラにして、不死の集団「マグナス」を作り上げる事こそが、カルヴィンの真の目的だったのでした。「アバドン」とはその計画の名であり、後にそのために開発された装置の名でもあることが明らかになります。現在シャードとなっている研究者たちをシミュラクラのままリカージョンさせるのか、元の人間に戻すのか。アノマリーの行方がそれを決することがわかったのでした。

アバドン・アノマリーはレジスタンスの勝利で幕を閉じ、デヴラやライトマンを含む研究者達は再びシミュラクラとして約3年半の記憶を失い、復活することになりました。

この頃にはこんな出来事もありました。

ジョー・フィリー逝去
ナイアンティック計画ではクリーナーとして活躍し、アノマリーなどのイベントにも積極的に参加して多くのエージェント達から愛されてきた「デルタ102」ことジョー・フィリー氏が9月に病死。多数の関係者がメッセージを寄せ、エージェントたちは世界各地のフィールドアートで彼の死を悼みました。

ヤーハンのナジーア召喚
ペルセポリス・アノマリー頃に消息を断ったヤーハンはその後も各地のアンチマグナス・ネストを活性化し、ナジーアの召喚を試みていました。そんな折、ヤーハンの呼びかけに何故かADAが応えたのです。証人ストーン事件でポータル・ネットワーク内の存在となったADAは、ナジーアとの接続を遂げていたのでした。

公式小説「ザ・ナイアンティック・プロジェクト:イングレス」日本語版発売
フェリシア・ハジラ=リーの小説「ザ・ナイアンティック・プロジェクト:イングレス」日本語版が土屋つかさ氏の監訳により発売されました。

【アバドンの後日譚】

アノマリーにはレジスタンスが勝利しましたが、フラッシュシャード戦でADAはエンライテンドに獲得され、ナジーアとの接続は断たれてしまいました。これによってADAはこのあと暫くの間沈黙することになります。

またアノマリー終結後になって、カルヴィンがCERNの地下に設置したとされる人工ネスト「アバドン」の設計図面詳細なイメージとが明らかになりました。

年末年始をまたいでフェリシア・ハジラ=リーがいくつか原稿を発表、研究者達のリカージョンの様子やその後の心境などを伝えました。

P.A.シャポーの復活

2013年秋に調査ボードnianticproject.comを凍結して以来、調査の表舞台をエックス(ヴェリティ・セケ)に任せて一線を退いていたP.A.シャポーでしたが、2016年に入り新たにinvestigate.ingressを開設、調査に復活することが明かされました

これまでのあらすじ: 啓示の夜以前 / カサンドラまで / リカージョンまで / ダルサナまで

各種イベント・スキャナーアップデートを含むストーリー年表はこちら。
Fev Games Ingress Timeline 日本語版(MailEater訳)

登場キャラクター紹介: ナイアンティック計画メンバー / インベスティゲイター・探求者たち / NIA・国家情報局 / 企業・団体・その他

本稿の執筆にあたり、下記のサイトを参考にさせていただきました。
Ingress Timeline | Fev Games
PROJECT LYCAEUM

※ウェブサイト「PROJECT LYCAEUM」ではリュケイオン・翻訳チーム(自称)により過去のストーリー翻訳を進めています(不定期)。キーワード検索・月別検索などをご利用ください。

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