【解説】イングレス・ストーリーの世界構造【基礎知識】

最近になってイングレスのストーリーに関心を持たれた方から、「なぜハンク・ジョンソンが2人いるの?」「啓示の夜は2012年だったはずなのに、2018年になっている資料がある」といった質問をいただきました。ストーリーをずっと追っていると気づかないことでしたが、ここ数年でストーリーの世界構造はかなり複雑なものになってきています。

ここであらためてイングレスのストーリーがどういった世界観で語られているのか、私たちが現在追っているストーリーはいつの/どこのものなのかを整理しておきたいと思います。

基本編・経緯

Ingress Multiverse Timeline.pngイングレスのストーリーは2012年7月にスタートし、同年12月に「啓示の夜」と言われるCERNのXM流出事故が起こり、それを皮切りにアノマリーなどXMにまつわる一連のストーリーが語られてきました。

オシリス・ユニバースの発見とオシリス・シーケンスの始まり

2018年4月、日本人研究者の司アキラによって、この世界がマルチバースと呼ばれる多元宇宙のひとつであることが指摘されます──SF好きの方には「一種のパラレルワールド」と言った方が馴染み深いかも知れません。司アキラは、これまでこの世界(ユニバース)で起きてきた多くのアノマリーによってこの世界に満ち溢れたXMを、未だXMが希薄な別の世界「オシリス・ユニバース」へと送り込む必要性を説いたのです。

そして2018年5月、ドイツとアメリカで行われたリモート・パーティシペーション実験によりオシリス・ユニバース(オシリス世界)に「啓示の夜」を発生させ、オシリス世界の新たなストーリー「オシリス・シーケンス」が始まったのでした。

基本編・2つのユニバースの関係

ストーリーの舞台が2つのユニバースに分かれたため、オシリス世界に対してそれまでのストーリー世界──2012年から2018年までのストーリーが進行した世界──を「1218ユニバース(1218世界)」と呼び、区別するようになりました。

オシリス世界には、1218世界で私たちが見てきた登場人物の多くが異なる姿で存在していました。「啓示の夜」に巻きこまれたナイアンティック計画の研究者たち、NIA(国家情報局)の職員、そして彼らの陰謀を暴き出そうと調査活動を行うP.A.シャポー。ほとんどが1218世界と同じ名前を持っていましたが、何人かは性別や名前、肩書などに違いがありました。現在ストーリーに登場している人物のほとんどがオシリス世界の住人です。ハンク・ジョンソンだけは1218からもNIAのリモート・パーティシペーション技術によってオシリス世界に姿を現しており、オシリス世界の「もうひとりのハンク・ジョンソン」との対面を果たしています。

基本編・それから現在まで

2018年に「啓示の夜」を迎えたオシリス世界では、その後私たちが2012年以来見てきたのと同じような事件が起こり、同じ名前を持つアノマリーが発生します。しかしその結果は私たちの世界とは異なり、少しずつオシリス世界は違う未来へと動いていきました。

そしてオシリス・シーケンスが終わりを迎えようとする頃、突如現れた謎の集団「ネメシス」によってオシリス世界のナイアンティック研究者たちが次々と襲われる事件が発生。物語は元の1218世界へと戻ることなく、未だ私達も経験したことのない新たなネメシス・シーケンスへと突入したのです。

ここまでを踏まえればだいたい現在のストーリーにつながると思います。


応用編・一緒に考えよう

ここからは少しマニアックな踏み込んだ内容について解説してみたいと思います。実のところ、はっきりとわかっていることは本当に少ないのですが...ぜひ一緒に考えてみてください。

──シェイパーやナジーアはどうなったの?

ナジーアが登場した頃から、彼らが次元を超えた存在であることが示唆されてきました。NIAは今後も彼らのような存在が新たに現れる可能性も踏まえ、「エクソジェナス・エンティティ」または「エクソジェナス・インテリジェンス」という総称で呼んでいます。

マルチバース構造が明らかになった今、シェイパーやナジーアは1218ユニバースの住人ではないらしいこともわかってきました。1218やオシリスのようなどこかのユニバースに住んでいるのか、あるいはどのユニバースにも属さない存在なのか。その点についてはまだ明らかになっていません。

──XMはどこから来たの?

1218世界のXMをオシリス世界へ送り込むことができた...ということは、XMは人間のようにそれぞれのユニバースに属すものではなく、全ユニバース共通のものなのだと考えられます。マルチバース空間にいくつも存在するユニバースの間を、水のように行ったり来たりするようなイメージでしょうか。

ローランド・ジャービスが到達したという、あらゆる存在の情報があると言われる「アルティメット」という空間もまたこのマルチバースに存在し、すべてのXMはそこを通ってやってくるとジャービスは述べていました。またキャリー・キャンベルはこれと同様のものを「サブストレート」と表現しています。

──私たちエージェントは今どこにいるの?

オシリス・シーケンスが始まって以来、この点については様々な議論が交わされてきました。2018年の始めまでは、私たちエージェントは確実に1218世界にいたはずです。ですがオシリス・シーケンスが始まると、私たちは何もしていないはずなのに、オシリス世界の情報をスキャナーやインターネットを通して見ることができ、アノマリーではオシリス世界の人物に話しかけ、触れることさえできました。これはどういうことなのでしょうか。

長い間解明されなかったこの問題に、最近になって1218世界のハンク・ジョンソンが答えました。どうやら私たちは、いつの間にかオシリス世界にいるらしいのです。一体いつユニバースを移動したのか、何がきっかけだったのかなどの具体的なことははっきりしておらず、私たちが元の1218世界に帰れるのかどうかも明らかになっていないのです...。

──アニメ「イングレス」の世界は別のユニバースなの?

これについては何もわかっていません。アニメには1218世界と同じ場所や事件、同名の人物も登場していました。また、オシリス世界にもアニメに登場したのと同じ人物がいる可能性が示唆されています。しかしだからといってそれが同じユニバースの物語だとは限らないのです。

──ネメシスはどこのユニバースの住人なの?そもそも人間なの?

これもまだ、はっきりしたことはわかりません。これまでの情報で、ネメシスがエクソジェナスを敵対視していることがわかってきていますので、少なくともシェイパーやナジーアのような存在ではなさそうです。しかし神出鬼没な挙動やポータル・ネットワークに干渉できる技術など、通常の人間ではなさそうな様子もうかがえます。

皆さんはどう考えますか?

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