【あらすじ】オシリス・シーケンスのストーリー【解説】

2018年4月、日本人研究者の司アキラによってマルチバースの世界構造とオシリス・ユニバースが発見され、これをきっかけにイングレスの舞台はオシリス・ユニバースへと移行しました。

オシリス世界の物語「オシリス・シーケンス」は同年5月に発生した「啓示の夜」に始まり、2019年7月に次の「ネメシス・シーケンス」が告知されるまで、およそ1年あまりの出来事です。その間どのようなことがあったのか振り返ってみましょう。

はじめに:オシリス・シーケンスのストーリーテリング

いきなり楽屋っぽい話なんですが(汗)、見方によってはこれも重要な特徴です。オシリス・シーケンスはその情報発信にもそれまでとは大きな違いがありました。

  • インベスティゲート・イングレスの停滞と消滅

オシリス・シーケンスが始まる前、2018年の2月頃から、それまでほとんど休むことなくP.A.シャポーによって更新されてきた調査ブログ「インベスティゲート・イングレス」の更新が少しずつ滞るようになります。オシリス・シーケンスが始まってからもほとんど更新がなく、情報が得られない期間が続きました。そして2018年7月のカサンドラプライム・アノマリーを最後に更新は途絶え、ついにはアクセスすることさえできなくなってしまいました。

そのため調査員たちは独自に情報収集をする事になり、イングレス公式アカウントからのアナウンスや各地に現れたキャラクターたちとの接触などが主な情報源となる期間が続きました。

  • 新シャポーの登場とダンレイブン動画配信の開始

10月に入り、リカージョンプライム・アノマリーを前にオシリス世界のP.A.シャポーが新たに登場、「ダンレイブン財団」という謎の組織による動画配信が始まります。11月にイングレスの公式ウェブサイトがリニューアルされ、P.A.シャポーはそこで情報発信を開始しましたがひと月ほどで再び更新が停滞。現在該当のリンクはシャポーのサブレディットへ転送されます。

  • 大型掲示板「レディット」での再始動

2019年2月、大型掲示板サイト「レディット」にP.A.シャポーがサブレディットを設置、あらためてそこから情報発信を始めます。これによってオシリス・シーケンスのストーリーがようやく見えてきたのです。それまでの遅れを取り戻すかのように、シャポーはこれまでに起きた出来事についても情報を明かしていきました。

  • アニメ「イングレス」の世界公開(2019/10/27追記)

日本では2018年秋から冬にかけて放送されたアニメ「イングレス」ですが、Netflixによる海外への配信開始は翌2019年4月30日のことでした。これによって初めてアニメに関する情報がほぼ世界共通のものとなったため、これと前後してアニメ関連の情報がいくつか登場しています。

  • オペレーション・コーランの公開ラグ(2019/10/27追記)

2019年4月にタイのラン島で行われたオペレーション・コーランはリアルタイムでの情報公開がなく、イベントが終了した後にダンレイブン財団の動画などで断片的に配信され、全貌が明らかとなったのはアバドンプライム・アノマリー終結後のことでした。

こういった経緯から、これからお話するストーリーが明らかになった時期と、実際の日付との間には大きなずれがあります。ここでは実際に起きたイベントに沿って振り返っていきたいと思います。

登場人物についてはこちらもご覧ください。写真付きで紹介しています。


エピファニー・ナイト(啓示の夜) 2018年5月25~27日

前年に13マグナス・リアウェイクンとして行われたキャンプ・イベントが引き続きアメリカ・カリフォルニアのキャンプ・ナヴァロと、新たにドイツのシュロス・カルテンベルクを舞台に開催されました。キャンプでは会場ごとに選抜された13チームによるポータル創出プロジェクト(PLP)、そしてイングレス版テーブルトーク・ロールプレイングゲーム「リモート・パーティシペーション・エクスペリエンス(遠隔参加実験・RPE)」が行われ、エージェントたちはその過程でオシリス・ユニバースへアクセスしてこの世界のXMを送り込み、オシリス世界に「啓示の夜」を発生させました。

その頃オシリス世界のスイス・CERNで進行中だったナイアンティック計画では実験中のパワーキューブが暴走し、施設内で大量のXM漏出が発生。研究者として参加していたデヴラ・ボグダノヴィッチとローランド・ジャービスはその混乱に乗じて施設を脱出しましたが、ジャービスはNIAの追手に射殺されました。この事件を機にナイアンティック計画やXMの存在が世間に知られる事となり、NIAはこれを隠蔽するため「漏洩したスキャナーアプリは"ゲームであり"、一連の事件はゲームの中のフィクションである」と世を欺く工作を行いました。

カサンドラプライム・アノマリー 2018年7月28日・8月25日

ナイアンティック計画に参加していた研究者のひとり、記号学者のキャリー・キャンベルは「啓示の夜」以来シェイパー・グリフの研究を続けてきました。その中で彼女は、かつて滅びた古代の文明に共通して見いだされる一連のグリフ──「文明自壊コード」の存在に気づきます。キャリーはこのコードの発信を阻止しようと世界中のエージェントに呼びかけ、アノマリーを利用してシグナルを研究(「カサンドラの背景」参照)し、エージェントたちと共にその身にグリフを書き記して世界を守りました

一方「啓示の夜」に1218世界のキャンプ・ナヴァロに現れ、1218世界の様々な出来事を見聞きしたオリバー・リントン=ウルフは、XMテクノロジーの結晶「テクトゥルフ」を構築しようと資金調達に動いていました。

そしてこのとき、翌年4月に実施される「オペレーション・コーラン」についても発表が行われ、参加エージェントの選抜が始まりました。

ダンレイブン財団ウェブサイトの発覚 2018年10月23日

やがてオシリス世界のP.A.シャポーが登場すると、「ダンレイブン財団」という謎の団体についての情報が浮上しました。エージェントたちの捜索によって発見されたウェブサイトからは、毎週1本のペースで動画が配信されていきました。これがオシリス・シーケンスの「もうひとつの物語」となり、最終的にはひとつの結末へとつながっていきます。

アメリカの大学院生ウェンディは、ダンレイブン財団による被験者募集の広告を見て応募し、位置情報ゲーム「イングレス」の秘密にまつわる映像を視聴するという奇妙な実験に参加することになりました。そして間もなく発生するリカージョンプライム・アノマリーのことを聞かされ、そこでウェンディもまたこのゲームの謎に巻きこまれることになります。

リカージョンプライム・アノマリー 2018年10月20日・11月17日

ナイアンティック計画に参加した研究者で、探検家・考古学者のハンク・ジョンソンは世界各地のパワースポットを研究に訪れていましたが、その過程で自分自身が2015年に既に死んでいたことを知ってしまいます。現在の彼は「シミュラクラ」というXMによって複製された体であり、1331日が経過すると再生成(リカージョン)が行われ、それまでの1331日間の記憶を失うこと、そして間もなくその1331日目が訪れることがわかりました。ハンクは自らの記憶を守るべく、エージェントたちに助けを求めました。

また、啓示の夜に死亡したはずのローランド・ジャービスがこのときバルセロナに現れています。このとき彼にインタビューを行ったエージェントによると、彼は啓示の夜に「オシリス」という名の不思議な存在に出会い、ハンクとは異なる方法でリカージョンを果たしていたようです。

ダルサナプライム・アノマリー 2019年2月23日・3月23日

エージェントたちの奮闘により記憶を守ることに成功し、無事にリカージョンを遂げたハンク・ジョンソンは保存された記憶を回収する旅に出ます。そして取り戻した記憶の中に「ダルサナ・レンズ」というプライム・オブジェクトの名を見つけ、それについて語りました。ダルサナ・レンズとはアレキサンダー大王の側近であったと言われる賢者プトレマイオスが見い出した、ポータルの力を集約させることのできるレンズであると言うのです。両陣営はこのレンズの獲得をかけて、アノマリーを戦いました。

やがてハンクは旅路の果てにインドへたどり着き、アンチマグナスのリーダー・ジャハーンに出会います。リカージョンプライム・アノマリーでレジスタンス陣営へ与したハンクはすぐにジャハーンと意気投合し、その後の行動を共にするようになりました。

一方、度重なる奇妙な体験をしたウェンディはP.A.シャポーに接触し、ダンレイブン財団の真相に迫っていきます。ダンレイブン財団とは、ナイアンティック計画で生まれた人工知能・ADAが「肉体を持つ協力者」を手に入れるための計画だったのでした。しかしその過程でローランド・ジャービスもまたそれを阻止するために動いており、かつて別の世界──彼らから見た1218世界──でADAと共にあった調査員・クルーの精神を呼び寄せ、ウェンディの中に住まわせていたのでした。

エンライテンドの説得を受けたウェンディは、クルーに一時的に身体を明け渡すことを承諾。RPE技術によってオシリス世界に現れた1218世界のハンク・ジョンソンと共に、タイのラン島へと向かいました。

オペレーション・コーラン 2019年4月11日~15日

前年のカサンドラプライム・アノマリーで発表されて以来選抜が行われていたオペレーション・コーランが、タイのラン島で実施されました。この島に隠された「オシリス・ストーン」と呼ばれるプライム・オブジェクトを探索するため、各陣営6名ずつのエージェントが現地で争いました。

このときエージェントたちに同行していたNIAのTKO部隊が「ネメシス」と名乗る謎の集団にマインドハッキングされ、一時はオシリス・ストーンを奪おうとします。現地に駆けつけていた両ユニバースのハンク・ジョンソンたちにより、その目論見は阻止されましたが...。

このときの様子はダンレイブン財団の動画でも語られ、一連の動画シリーズは現地にいたはずのウェンディの消息が途絶えたことを告げて完結しました。

アバドンプライム・アノマリー 2019年5月4日・11日・25日

およそ1年をかけて争われてきたオシリス・シーケンスの行方を決する最後の戦いがいよいよ始まりました。これまでのアノマリーで勝利した陣営がそれぞれ手にしたものが、この戦いで力を発揮することになりました。

この直前、ナイアンティック計画のメンバーであった音楽家エノク・ダルビーが3月に「消失」していたことが明らかになります。一方P.A.シャポーは1218世界の自分自身からの接触を受け、ナイアンティック計画に参加した研究者たちは全員シミュラクラであり、ナイアンティック計画とはエゼキエル・カルヴィンによるマグナス構築を目的としたものだったことを知らされました。

そしてアノマリーが開幕すると、「ネメシス」と名乗る謎の集団の存在を示す情報が次々と浮上します。初日の台湾で現地を訪れていたキャリー・キャンベルはアフターパーティの際にマインドハッキングされ、ネメシスのメッセージを伝えました。そして初日のアノマリーが終わると程なく、キャリーもネメシスによって殺害されてしまいます(動画閲覧注意)。

その後もアノマリーと並行してスタイン・ライトマンオリバー・リントン=ウルフハンク・ジョンソンが次々とネメシスに襲われたとする情報が飛び込んできます。オリバーだけは「襲われる前に自分で死んでやる」というわけのわからない理屈で自殺していますが...。

一方アノマリーの方はレジスタンスの勝利で幕を閉じ、オシリス・ユニバースはレジスタンスが支配することとなりました。

その後:ネメシス・シーケンスへ

ナイアンティック計画のリーダーであるエゼキエル・カルヴィンはマグナスを守るため、研究者たちのシミュラクラを別の場所に逃がそうと策を講じていましたが、そのカルヴィンもまたネメシスに襲われてしまいました。その後も次々と研究者たちの死亡報告がもたらされ、ついにはADAを除く全員がネメシスの手にかけられてしまったのです。この時点で研究者たちが全員シミュラクラであることがわかっていましたので、殺されたと言っても完全に死んでしまったのかどうかは断言できない状況ではありましたが...。

「ネメシス」とは一体何者なのか?研究者たちの安否は?ラン島で消えたウェンディの行方は?多くの謎を残したまま、物語はネメシス・シーケンスへと突入したのでした。

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