【解説】リモート・パーティシペーションとは何か【RPE】
2017年にストーリー登場して以来、たびたび取り沙汰されてきた謎の技術「リモート・パーティシペーション(RPE)」。最近になって、謎の人物スチュアート・ライトナーから「近いうちにリモート・パーティシペーションに関して重要なことが起こる(かも)」と発言があり、この謎多きテクノロジーが再び注目されることになりそうです。これを機に、あらためてその歴史を振り返っておきたいと思います。 |
ざっくり概要
リモート・パーティシペーションとは、日本語で「遠隔参加」を意味しています。遠隔地の様子を「現地にいるかのように」観測するリモート・ビューイング技術を更に一歩進めたもので、現地の事象に対しこちらからアクションを起こし、「現地参加」することが可能なXMテクノロジーです。英語では「RPE」と略されることが多く、3文字目の「E」はエクスペリメント(実験)とも、エクスペリエンス(体験)とも、エクササイズ(鍛錬)とも言われています。
登場の経緯(1218ユニバース)
ストーリーで最初にRPEの存在を示唆したのは、調査コミュニティ「オペレーション・エセックス」の創始者であるエドガー・アラン・ライト博士でした。この時エドガーは「遠隔実在(リモート・プレゼンス)」という言葉を使っています。それはナイアンティック計画よりも前のNIAプロジェクトで行われていた研究だったようです。
2017年5月、カリフォルニア州のキャンプ・ナヴァロで行われたイベントで、初めてRPEが実施されました。その手法は高濃度のXM環境下でテーブルトーク・ロールプレイングゲームを行うというもの。ゲームシナリオ内でプレーヤーが起こしたアクションによって、遠隔地や異なる時代の出来事に影響を与えることができるというのです。(つまりこのゲーム内で起きた出来事は、イングレス・ストーリーの一部である、ということを意味しています。)
この理論はナイアンティック計画のメンバーだったスタイン・ライトマンが、ナイアンティック計画よりも前に提唱したものであったそうです。
2017ナヴァロで行われたのは全3本のシナリオで、これらは後日公開されました。参加エージェントたちはそれぞれに「アーキタイプ」を割り当てられ、アーキタイプに応じたスキルを活用して、シナリオを進めました。
シナリオ1: |
シナリオ2: |
シナリオ3: |
この時のもう少し詳しいあらすじは、リュケイオン調査員・後日明(asatte666)氏によってレポートされています。
調査コミュニティのオペレーション・エセックスでは、この時から独自にRPEの研究を行うグループが発足し、現在もオリジナルのシナリオを用いた研究と実験を続けています。(ただし、このシナリオは非公式であり、ストーリー本編への影響は今のところありません。)
その後イングレス公式としては同年9月にカリフォルニア州バーバンク(「マインド・パレスRPE」)、11月にコロラド州ボルダー、翌2018年2月にイリノイ州シカゴでそれぞれRPEが実施されています。それぞれのシナリオは、その時期のストーリーにも深く関わっているはずなのですが、現在までに一般公開はされていません。
RPEの危険性(1218ユニバース)
RPEについて最初に言及したエドガー・アラン・ライト博士は、ストーリーの最初期から何らかの記憶障害を抱えていることが知られていました。彼が創設したオペレーション・エセックスは、イングレスのストーリー調査の他に、エドガーの過去について調査するというもうひとつの目的を持っていました。記憶障害の原因となったのは、ナイアンティック計画以前にエドガーが参加していたNIAのプロジェクトにあると考えられてきましたが...。
物語がオシリス世界へと移り変わろうとする頃、その原因がRPEにあったのではないかという仮説が浮上します。RPEには「アノマラス・ウィンドウ」と呼ばれる時間的制約があり、このウィンドウが閉じられる前に元の肉体へと帰還しなければならないらしいのです。これに失敗すると遠隔地へ転移していたプレーヤーの精神の一部が分断され、転移先に残されたままとなってしまうのです。
その他にも、異なる時間や空間に影響を及ぼすことの危険性を主張する意見は多く、RPEはまだ安全な技術とは言えませんでした。
オシリス世界の「啓示の夜」(オシリス・シーケンス)
2018年、ナイアンティックは再びキャンプ・ナヴァロと、新たにドイツのシュロス・カルテンベルクを舞台にキャンプ・イベントを行い、3本のRPEシナリオが実施されました。当時参加したエセックス調査員Ishira Tsubasaが、当時の模様をレポートしています。
この3本のシナリオは全て繋がっており、最終的にエージェントたちはオシリス世界のCERNにアクセスし、オシリスの「啓示の夜」を引き起こしたのでした。その過程で実は1218世界の「啓示の夜」も、どこか別のユニバースによって引き起こされたものであったことが明らかになっています。これによってオシリス世界でのイングレス・ストーリーが始まりました。
オシリス世界のRPE研究(オシリス・シーケンス)
オシリス世界のスタイン・ライトマンもまた、ナイアンティック計画以前からRPE理論について研究を進めており、その仕組みは遠隔地にいる他者への、ある種のマインド・ハッキングによって実現していると説明しています(リンク先の黒塗りはテキスト選択で読むことができます)。またオシリス・シーケンスで登場したダンレイブン・チャンバーは、ライトマンが考案したRPEチャンバーを元に構築されたものだということがわかっています。
オシリス・シーケンスの間にも1218世界ではRPE研究に進展があったようです。2019年4月に行われたオペレーション・コーランで、現地を訪れていたかに見えた1218世界のハンク・ジョンソンとウェンディの二人は、実は1218世界のRPE技術によって送られた投影像だったのでした。
つまりライトマンが研究していたものよりさらに研究は進んでおり、乗り移る対象人物がいなくても、RPEができるようになった...あるいは乗り移った他人に、自分の外見をそっくり投影できるようになっているようです。
RPE技術の進展(ネメシス・シーケンス)
物語がネメシス・シーケンスへと移行し、その幕開けを告げるトレーラー映像のようなものが公開されました。その中でオシリス世界のナイアンティック研究者たちが、今までの手法とは異なるRPE技術を使っているような描写が見られます。
それまで知られていたボードゲーム・スタイルではなく、インテル・マップらしき地図が映し出されたテーブルの上にチェスのコマのようなものを置いただけで、突然どこか別の場所に現れています。ですが、この技術はその後まだ一度も登場しておらず、詳細は不明です。
その後ネメシス・メンバーの証言から、ネメシス世界で起きたエクソジェナスの侵略は、オシリス世界で行われたRPEの影響によるものだったことが明らかになります。
そして最近になって登場したレクイエムは、エクソジェナスの侵略が起きた頃、ちょうどRPEの実験中でした。そのためエドガーと同じように精神と肉体とが分断されてしまい、回復に時間を要したことがわかっています。こういった経緯と、1218世界で発展したRPE技術をクーリエ...1218世界のハンク・ジョンソンがもたらしたことから、ネメシスにはより安全なRPEのノウハウがあると、レクイエムは主張しています。
現在進行しているテッセレーションが完成すると、シェイパーやナジーア、他のエクソジェナスたちを迎え入れるか、あるいは遮断するのかを「調整」することができると言われています。未だアノマラス・バブルに閉じ込められているオシリス研究者たちがその「調整」を行うには、どうやらRPE技術が必要となるようです。レクイエムは、ネメシスがその代わりを務めると申し出ていますが...。
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