【あらすじ】オシリス世界の啓示の夜【RPE見学レポート】

2018年にオシリス世界で発生した「啓示の夜」事件は、1218世界のNIAによるリモート・パーティシペーション(以下RPE)によって引き起こされました。このことは最近になってネメシスからも指摘されていますが、具体的にその時何が起きていたかというのは、(特に日本では)まだあまり知られていませんでした。

後日、この時のシナリオがテレグラム・チャット上で「再演」された際に、その様子を見学させていただくことができました。オペレーション・エセックスの研究グループよりあらすじ公開の許可をいただきましたので、「当時何が起きていたのか」その一端をご紹介したいと思います。

【はじめに】

当時のRPEがテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(TRPG)の体裁をなしていたことから、以下の内容はゲームとしての「ネタバレ」を含んでいます

また、私が見学したものはおそらく2018年当時と同じシナリオを使用していますが、TRPGというゲームの性質上、プレーヤーたちの動きや、ゲームマスター(パトロン)の機転によって、細かい部分で当時とは異なっている可能性があります。

イングレス・ストーリーにおけるRPEの位置づけから考えて、実際にオシリス世界のストーリーとして影響したのは、2018年に最初に実施されたセッションの内容であるはずですので、このあらすじの「全てが(ストーリーで)実際に起きたことではない」ことをご了承ください。

あと、あらすじとは言え結構な長さですので、ざっくりで十分!という方は当時のレポートをご覧ください。

【プロローグ】

「2018エピファニーナイトRPE」は全3本のシナリオで構成されていました。

第1のシナリオで、エージェントたちは西暦2048年──未来のキャンプ・ナヴァロへと旅立ち、そこでアナズクテック・ストーンと呼ばれるプライム・アーティファクトを入手しました。

第2のシナリオでは、西暦1331年のシュロス・カルテンベルクへと旅立ち、そこでオシリス・ストーンというプライム・アーティファクトを入手しました。そしてこの冒険の過程で、1218世界で2012年に起きた啓示の夜が、別のユニバースによって人為的に引き起こされたものだったことを知ることになります。

私が見学したのは、この後に実施された第3のシナリオでした。

物語は現代のCERNに設置された、NIAの「最終任務準備施設」で始まります。NIA局長ハンク・ジョンソンから、第1・第2シナリオの経緯と、今回の任務について説明がありました。エージェントたちは回収された2つのアーティファクトを持ってオシリス世界のCERNナイアンティック計画研究施設へ向かい、オシリスで「啓示の夜」を発生させなければなりません。

RPEでエージェントたちはオシリス世界の「誰か」へと精神を転送され、その人物を操作して任務を行います。現地ではこれからパワーキューブの実験を始めようとしているオリバー・リントン=ウルフ博士を説得し、その場で2つのアーティファクトを活性化しなければなりません。オシリス・ストーンは1218世界とのアクセス経路を開き、アナズクテック・ストーンは磁石のように1218世界のXMを吸い出す役目をします。

今回参加したエージェントたちが選択したアーキタイプ(役割)は、スピリチュアリスト、リスナー、インタープリター、カタリスト。

【オシリスのADA】

エージェントたちがオシリス・ストーンを使い、オシリス世界のナイアンティック施設に到着すると、近くの部屋からADAの声が聞こえます。入ってみると、そこはかつてのリチャード・ローブ...P.A.シャポーのオフィスでした。

ADAはオシリス・ストーン活性化の影響で1218世界のADAと統合されており、彼らの目的をすでに理解していました。ADAはCERNのセキュリティ対策や、「啓示の夜」を事故に見せかけるなどの支援をしてくれると言います。その代わりにエージェントは、CERNを脱出しようとしているデヴラとジャービスの支援を頼まれます。

【CERNの探索】

(CERN内を移動中、警備員に姿を見られると、本来は戦闘シーケンスが始まるはずだったようです。私が見た再演では、参加エージェントたちがそれを望まなかったため、戦闘はスキップされました。)

まずは現在エノクのオフィスにいて、不在となっているキャリーのオフィスに侵入。インタープリターは、キャリーのコンピュータからセキュリティ・プロトコルの解除を行いました。それからオリバーが実験を準備しているヤヌス研究室へと移動するはずでしたが...。

1人のエージェントがデヴラのオフィスを調査したいと言い、グループとは別行動をすることに。途中エノクのオフィスの前を通りますが、XMが不足しているためにビジョンが得られないキャリーの嘆きが聞こえてきました。エージェントはデヴラのオフィスで「ダンレイブン」とタイトルがついたファイルを発見、中にはウェンディやハンク・ジョンソンの名が含まれるリストがありました。またデヴラがカルヴィンに宛てて、オリバーのパワーキューブ実験中止を訴えるメールを見つけ、エージェントの判断によりメールは削除されました。

(この部分はプレーヤーの行動選択によって発生したルートで、当時も同じだったとは限らないようです)

【オリバーの説得】

さてグループが合流し、ヤヌス研究室で実験の準備をしていたオリバー・リントン=ウルフの説得を開始。説得にはトリックスターのアーキタイプが役立つはずでしたが、今回のチームにトリックスターがいなかったため、かなり手間取ったようです(笑)。他の全員がオリバーの説得に苦戦している間に、カタリストは実験開始前に研究室内にあるポータル──まさに実験に供されようとしていた、パワーキューブ──をハックして、アナズクテック・ストーンを活性化しました。

【啓示の夜、発生】

次はデヴラとジャービスを無事にCERNから脱出させなければなりません。

ところがオシリス・ストーンが1218へアクセスする際に、近隣のユニバースにも一時的に焦点が合ってしまったことで、なんと今までの公式RPEに登場した敵キャラクターが片っ端からオシリス世界に入ってきてしまったのです。16世紀のアナズクテック先住民たち、ミスティのマインド・パレスに巣食うモンスターたち、アバドン・ミニヨン(どこに出てきたのか不明)、1940年代シカゴのギャングたち(しかし、ここでも戦闘はスキップされました・笑)。

エージェントたちはようやく施設の出口へと向かうデヴラとジャービスに追いつきますが、この時オリバーの実験が開始され、パワーキューブの暴走が始まりました。ADAの警告アナウンスが響き渡り、施設内はパニックに陥ります(すでに十分カオスだった気がするけど)。1218世界から流れ込んできたのはXMだけではなく、ダークXMも含まれていました。そのためオシリスの警備員たちまでがダークXMゾンビ化。あわや大ピンチ!...と、その瞬間、周囲の時間が一斉に止まりました。

何が起きたのか、誰にもわかりませんでしたが、その場で動いているのはエージェントたちと、ジャービスだけでした。突如空間にポータルとは違う渦のような歪みが現れ、ジャービスはその中へと入っていきます。エージェントたちも慌てて後を追いました。

【オシリスとの遭遇】

不思議な渦を抜けた先は、古代エジプト風の巨大な神殿でした。古代遺跡ではなく真新しい様子のその神殿の中には、エジプトの王族のような姿をした「浅黒い肌のイケメン」(とパトロンが言った)が立っていました。彼が話す言葉は英語ではありませんでしたが、エージェントたちには何故か彼の言葉が理解できました。彼に近づいたジャービスに、イケメンが語りかけます──

(概要)私はかつて石棺に閉じ込められ、大いなる川に沈められた。そなたにも同じことが起きたが、その記憶はなかろう。だがそなたの棺が永遠の牢獄となることはない。死はそなたの旅の始まりである。「13マグナス」に接触し、民を導く新たな力を得よ。

そしてジャービスは再び現れた渦の向こうへ消えてしまい、取り残されたエージェントたちは謎のイケメンに見つかってしまい、突然湧いて出たエジプト兵に囲まれてしまいます(ここでも戦闘はスキップ)。カタリストは部屋の中にオシリス・ストーンがあることを察知し、それを奪い取って、すんでのところでCERNへと帰還しました。

【2人が死ぬ?】

CERNでの時間は再び動き出していましたが、デヴラとジャービスはまだ出口に立ち往生していました。ADAがドアを開けていなかったのです。ドアを開けるようデヴラが訴えると、ADAはその理由を述べました。

ここで2人が逃走すれば、程なくNIAの追手が現れる。彼らは2人を捕らえるまで諦めることはないだろう。ADAの計算によれば、2人共が無事に逃げ延びる手立てはなく、最低でもどちらか1人は殺されることになるだろう。それでも脱出を選びますか?と。

するとジャービスが、自らを犠牲にするよう申し出ました。自分をNIAに捕らえさせ、デヴラは逃してほしいと。この時、ジャービスには全てわかっていたのです。

ADAはデヴラに、後でADAからの連絡を待つよう言いおいて、ドアを開け、2人を逃しました。これでエージェントたちの任務は完了となり、彼らは無事に現世界の自分の肉体へと帰還を果たしたのでした。


【所感と補足】

今回のセッションログをたどってみると、シナリオ開始~終了までおよそ3時間あまりを要しています。この他にアーキタイプの割り当てなどの準備時間があり、初演ではさらに今回スキップされた戦闘シーンも含まれていましたので、4~5時間近い長丁場だったと推測されます。いやぁ長い。

大筋で今回のセッションは2018年のエピファニーナイト・キャンプイベントで行われたものと一致していると考えられ、いくつかこの内容を裏付ける資料が見つかっています。

2019年2月16日 リモート・パーティシペーション・インカージョン
オシリス世界のスタイン・ライトマンは後に啓示の夜に起きた事件を調査し、いくつかの不審な点を発見しています。

2018年11月22日 リカージョンプライム:ジャービスの対談(映像)
啓示の夜に射殺されたはずのジャービスは、リカージョンプライム・アノマリーでエージェントたちの前に姿を表しました。この時彼は「オシリス」という謎の存在に出会ったことが、彼の復活に関係していたことを明かしています。

2019年4月22日 ダルサナプライム:デヴラ・ボグダノヴィッチ対談(映像)
デヴラのコンピュータから見つかった「ダンレイブン」のファイル、そしてCERN脱出直前にADAが「連絡を待って」と言ったこと。これらは後にデヴラが語った、ダンレイブン・プロジェクトに協力した経緯に一致しています。

...などなど、最初から知っていたら色々と面白かったであろう伏線が、このRPEには含まれていたのでした。イングレス公式RPEはストーリー本編と深く関連しているにも関わらず、そのほとんどのシナリオが非公開となっているのは、ストーリーを追う側としてはもどかしく、一見不親切にも思われます。

プレーヤーもシナリオそのものを公開することは禁じられていますが、プレイした内容を「自身の体験」としてレポートすることは許可されており、私達は彼らの「体験談」から、その物語の一端を断片的に知ることができるのです。また先に挙げたように別の公開資料から、その一部を推測することもできる手掛かりが散りばめられており、それらを集め、つなぎ合わせることで、不完全ながら真実に近づくことはできるようになっています。

...そしていつの日か、これらのシナリオを実際にプレイできた時には、全てがつながっていくのです。そんな幸運が訪れるかどうかはわかりませんが、それはきっと、素晴らしい体験になることでしょう。

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2020年06月28日~7月04日