【解説】国家情報局殺人事件「MANIA」とは【未解決事件】
2020年11月、P.A.シャポーがエージェントのインタビュー中に漏洩した暗号は、2017年に1218世界で起きた未解決事件の重要な手がかりだったことがわかりました。かなり昔の出来事ですので、ここで改めて事件のあらましを解説します。 |
まずは今回見つかった「新たな手がかり」について。
文書は「小説」の体裁をなしており、ジータ・バジルという女性がひとりの暗殺者を追跡する場面を描いたものとなっています。
この小説と同一の作品シリーズではないかと思われる文書が、テッセレーション中の前年4月にも発見されています。こちらではジータがミスティ・ハンナを訪問し、彼女のマインド・パレスを体験する場面が描かれています。
この文書に添付されていた報告書から、文書そのものはオシリス世界で発見されたものであり、そこに書かれている内容は1218世界で実際に起きた事件に関するものだということが明示されています。
その事件とは...。
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2017年9月、ワシントンDCで国家情報局(NIA)の上級職員ケン・オーウェンが何者かに殺害されたとのニュースがありました。死因は銃殺で、何者かに依頼されたプロによる犯行であることが、その後の調査でわかっています。
ケン・オーウェンは、NIAの機密隠蔽工作を主導していた人物でした。P.A.シャポーらによって漏洩してしまった各種文書やナイアンティック計画の内容、そしてスキャナーアプリを「単なるゲームのためのフィクションである」と偽装することで世間の目を眩ませるため、様々な手段を講じてきました。
続いて翌月にはNIAのワシントン支部で爆発事件が起こり、当時NIAの局長代行だったジェイ・フィリップス、そしてナイアンティック計画のリーダーだったエゼキエル・カルヴィンの2人が、この爆発に巻き込まれて死亡しています。犯行の手口こそ異なりましたが、被害者の立場や推測される利害などから、この2つは連続殺人事件だと考えられました。
当時この事件は非常に大きな話題となり、各方面での調査や様々な推理が行われましたが、真犯人は未だ明らかになっていない未解決事件となっています。唯一有力な手がかりとして、センシティブ小説家フェリシア・ハジラ=リーによる「作品」から、ケン・オーウェンの殺害を実行したのが「855」と呼ばれるプロの工作員だったことが判明しています。しかし855に殺害を依頼した人物、そして続く2人の殺害に関与した人物については不明のままです。
この事件の調査を請け負ったのがセントラル・オムニリティクスという調査会社で、調査の依頼にはNIAとホワイトハウスの2者が関与しているとみられています。今回の「小説」に登場したジータはその調査担当者であり、ケン・オーウェン殺害の実行犯である855との接触が行われた場面を描いたものだとわかります。
セントラル・オムニリティクスの調査報告書は当時P.A.シャポーによって断続的に公開され、その中では最有力の容疑者が名指しで結論付けられていましたが、その箇所は黒塗りされており、未だ明らかにされないままとなっています。
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オシリス世界ではこの事件は「M.A.N.I.A.(Marder At NIA:国家情報局殺人事件)」と呼ばれ、2019年に登場したネメシスの関連文書にも、このキーワードが複数回発見されています。
(画像)キャリー・キャンベルが殺害される直前に残したとみられるスケッチ。後半の「ABAH」は数字に置き換えると「1218」となる。
(画像)ハンク・ジョンソン殺害の報。「121β」はリート表記で「1218」と読める。
また、テッセレーション中にこの「小説」の一部が最初に発見されたこと、ネメシス構成員レクイエムが1218世界へのリモート・パーティシペーションを行っていたこと、1218世界のハンク・ジョンソンがネメシスと秘密裏に連絡をとっていたことなどから、ネメシスがこの事件に浅からぬ関与をしていることが推測されています。
長い間投げっぱなし未解決とされてきたこの事件の真相が、ついに明かされるのでしょうか?
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