【解説】クレーゼ効果って何?

イングレス公式より、次節アノマリー「キテラ」が発表されました。ストーリー背景には、今年3月まで行われていたイベント「クレーゼ効果」が関連しているようです。そこであらためてこのイベントのストーリーと、クレーゼという人物について振り返りつつ、解説してみたいと思います。

クレーゼって誰?

2Kureze.pngクレーゼ(Kureze)博士はナイアンティック計画に参加した研究者のひとりで、初期のXM研究に大きく寄与した量子物理学者です。1218(男性)のフルネームはビクター・クレーゼ、オシリス(女性)の方はビクトリア・クレーゼ。

マルチバース構造が明らかとなったイングレスのストーリー世界には、それぞれのユニバースに同じ13人のナイアンティック計画メンバーが存在していますが、クレーゼはこれまでに登場した2つのユニバースで性別と名前が異なっていた人物です。同じくユーリ・アラリック・ナガッサも性別が異なっていましたが、こちらはフルネームは同じです。

ユニバースで性別が変わったのはクレーゼだけではないのに、なぜ彼女(彼)だけが取り沙汰されるのか?といえば、それは彼女の登場した経緯に関係しています。オシリス世界のストーリーが始まった当初、クレーゼとナガッサはともに「男性」として人物が紹介されており、特にクレーゼは「ビクター」という男性名で登場し、少しの間男性として扱われていました。

ところが後になってオシリス世界のクレーゼは女性であることが明らかになると、自らも彼女を男性だと誤解していたP.A.シャポーは、それが「マンデラ効果」──大勢の人や集団で間違った事実が共有される現象──であると釈明しました。また更に後になって、クレーゼの性別が異なっていることには、オシリス世界で行われていたリモート・パーティシペーション実験が関係していることがネメシスから指摘されています。

ビクター・クレーゼってどんな人?

VictorKureze_440.png1218世界で登場したビクター・クレーゼ博士はストーリーのかなり早い段階で死亡しており、そのため特に知名度の低い登場人物でした。

「啓示の夜」直後には研究者たちへの事故の影響を調査報告したり、研究者たちとカルヴィンやNIAとの仲立ちをするような役回りが多かったようです。かと言ってNIAの言いなりだったわけではなく、2013年にナイアンティック計画の終了が通達されると、貴重な研究データを秘密裏に外部へ移送する作戦を主導した疑いがあり、彼が純粋にXMの研究を続けたいと願っている科学者であったことがうかがえます。

2013年4月にナイアンティック計画はサイバー工作企業HAZDATAの襲撃を受け、研究施設は閉鎖状態となりました。この時クレーゼ博士が初めて遺体で発見され、彼の死亡が確認されました。当時の報道記事からは彼が非常な変わり者であり、交友関係が少なかったこともわかります。

後になって、クレーゼが「啓示の夜」に死亡したローランド・ジャービスの検死調査を指示されており、その時彼が施した何らかの処置が原因で死に至ったことが判明しています。

その後ナイアンティック計画の研究者は全員がシミュラクラだったことが発覚し、彼もまたリカージョンによって再帰したものの、その後の主だった活動については伝えられていません。

ビクトリア・クレーゼってどんな人?

VictoriaKureze440.pngオシリス世界で女性として登場したビクトリア・クレーゼ博士も、ビクター同様にXM研究の礎を築いた人物でした。彼女はナイアンティック計画の後も生存しており、ネメシスの襲撃に遭ってからもアノマラス・バブル内で復活し、研究者達を閉じ込めているネメシスの障壁を脱するために尽力していました。

本人による配信映像を見る限りでは、あらゆる質問に対して淀みなく答える、論理的で隙のない人物像が見て取れます。

また、テッセレーション中に研究者たちを閉じ込めていたアノマラス・バブルは、ネメシス世界のクレーゼに相当する「ミリアド」が構築したものでしたが、ネメシス内ではミリアド以外の誰にもそれを解除することができていませんでした。最終的にはミリアド本人が戻ってきたことで解決しましたが、一時はオシリス世界の同一人物であるビクトリアにもそれができるのでは、と言われていました。このことからも彼女の秀でた技術力が、研究者たちの間で認められていたことがわかります。

ネメシスの脅威が去った後に、彼女はXMやエクソジェナスに対する自らの意見を共有しました。彼女はこの時点ではレジスタンスの思想がありつつも、ポータルネットワークに未だ秘められている未知の可能性について、独自の見解を持っていました。

クレーゼ効果って何だったの?

「クレーゼ効果」という用語は、昨年12月に発表された今年の第1四半期イベントスケジュールの中で初めて登場しました。今年1月「クレーゼ効果」イベントの概要説明の中で、その言葉の意味があらためて説明されています。

この説明文に使われているテレビ画面の比喩は、1218オシリス両ユニバースのクレーゼが、マルチバースの概念を説明するために使用したものとよく似ています。また「マンデラ効果」という現象について、クレーゼ自身はそれがマルチバース世界の相互作用に起因するものだと考えていました。

このことから「クレーゼ効果」とは、いわゆるマンデラ効果と呼ばれる現象の中でも、特に他のユニバースからの影響によるものに限定したイングレス用語ではないかと考えられます。

クレーゼはどうやら、この現象は特定のポータルを介してこの世界に発生していると考えていたようです。今年1月~3月にかけて実施されたイベント「クレーゼ効果」では、そういった形でこの世界に影響を及ぼしているポータルの地域や分布を、バトルビーコンを利用して測定しようとしていました。

謎の人物「K」のニュースフィードとメディア

「クレーゼ効果」イベントの進行中、スキャナーのニュースフィード上に「K」と名乗る謎の人物が現れ、たびたび謎めいた暗号やメッセージを発信していました。暗号はスキャナーアイテムのパスコードでしたが、同時にポータルからは奇妙なメディアも出現しました。

クレーゼ効果フェーズ1:Gell-Oの広告

クレーゼ効果フェーズ2:バーンスタイン・ベアーズ

ニュースフィード:円周率の日

一連の情報は「まさしくマンデラ効果」と言えるものから、心理的な錯視のようなもの、マンデラ効果とはあまり関係なさそうなものまで様々でした。

そして最終フェーズ終了後、フォーラム上にはイベントの結果報告と共に「K」氏からの新たなメッセージが開示されていました。

その2日後、新たにニュースフィード上で「K」氏が暗号を投稿。同時にポータルからは2013年4月に起きたビクター・クレーゼ博士の死亡を報じた新聞記事の画像がメディアとして出現しました。画像そのものは完全に当時と同一のものでしたが、画像ファイルの中には「K」氏のものと思われるメッセージが隠しこまれていました。

これが次のアノマリー「キテラ」へとつながっていきます。

クレーゼのイニシャルが「K」であること、「クレーゼ効果」イベントと同時進行で発信されてきたことから、「K」氏はどこかのユニバースのビクトリア(ビクター)・クレーゼ博士であろうと考えられてきました。

しかしここで現れた「K」氏のメッセージを見るに、それが1218世界のビクターであれば自分自身の死について知らないはずはないですし、オシリス世界のビクトリアであれば自分自身の存在に混乱するというのも変な話です。

それにもし、私達の知らない別のユニバースに存在する、別のクレーゼ博士であったとしても、自分自身の死亡記事や性別の異なる自分自身の存在に対する感想としては不自然です。これはまるで、クレーゼ博士ではない別の誰かが、クレーゼ博士に関する記憶に戸惑っているかのようです...。

「K」氏とは一体、誰なのでしょうか?

ちなみに「探究の中にこそ喜びはあるのだ(The joy comes in the pursuit)」というのは、2013年にハンク・ジョンソンが口にした言葉でした。これ自体はハンクのテレビ番組「ノマド」のセリフではありませんが、この言葉を「K」氏がテレビ越しに聞いていたというのは、手がかりになるのでしょうか...。


本記事の執筆に当たり、イベント「クレーゼ効果」関連ニュースフィード等の情報収集には、リュケイオン調査員@kidobarrett 氏の多大なご協力をいただきました。末筆ながら感謝申し上げます。

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