【前編】2017~18年のストーリー【1218終結】
2012年から続いてきたイングレスのストーリーは、2018年の春にひとまずの完結を迎え、新たな世界「オシリス」を舞台に再スタートすることとなりました。その最後の年となった2017年と続く2018年はじめのお話をまとめてみました。 ...が、この1年あまりは前例のないイベントや、短く独立したエピソードが多く、かなり切り詰めてもとんでもない長さになっています(汗)。そのため前後編に分けてお送りします。 |
これまでのお話 |
ここまでのあらすじはこちら。
【あらすじ】カサンドラまでのストーリー【解説】
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【あらすじ】2015年・アバドンまでのストーリー【解説】
【あらすじ】2016年のストーリー【解説】
また最初期~ネメシス・シーケンス終結までの総合まとめはこちらです。
【入門】駆け足で追いつくこれまでのイングレス・ストーリー【総集編】
オリバー・リントン=ウルフ博士が目論んだテクトゥルフ起動の野望はエージェントたちの活躍によって阻止され、事態は収束したかに思われました。
そしてビアラックス・アノマリーの頃に出没していたニューウェーブ・エージェントたちのポータルを構築する儀式にP.A.シャポーが立ち会うという奇妙な後日談とともに、謎に満ちた2017年が始まります。
フェイト・オブ・サーティーン(2017年1月~3月) |
ホワイトハウス・ブリーフィング
年明け早々、国家情報局(NIA)の局長代理ジェイ・フィリップスは新たなXM研究の資金調達に動き始めました。2013年に閉鎖されて以来そのままになっているはずのナイアンティック研究施設の現状調査が行われ、米政府へのプレゼンテーションが行われました。この説明を受けたホワイトハウス次官ショー・ヘンソンはこの件に関心を示し、幾度かの文書によるやり取りの末、フィリップスとの対面によるブリーフィングが実現しました。このことが、最初期からのイングレスのストーリーが改めて振り返られることにも繋がります。
グローバル・シャード戦の勃発
一方この頃、ポータル・ネットワーク上にシャードが出現したとの報がもたらされ、2015年のライトマン(光男)シャード以来1年8ヶ月ぶりの大規模なグローバル・シャード戦が勃発。
今回のシャードはこれまでに登場したアーティファクトやシミュラクラといったXM構造物とは違い、ナイアンティック研究者たちの「アーキタイプ」──マグナスを形成する、メンバーそれぞれの役割のようなものとなっていました。これを収集することで、各陣営はマグナスの該当メンバーを除外、あるいは留任させる権利が得られます。つまりナイアンティック計画のマグナスは、再編成の時を迎えたのです。
最終的に、メンバー13人のうちオリバー・リントン=ウルフを除く全てのアーキタイプをエンライテンドが掌握するという驚きの圧勝で、長きにわたるシャード戦は終結しました。
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この頃には、こんな出来事もありました。
P.A.シャポーから、元はニューウェーブ・エージェントの間で行われていたという「バウンティ・ハンティング」という活動が紹介されました。エージェント各自が工夫を凝らしたバイオカードは、このとき既にコレクションアイテムとしてかなり普及していましたが、これを収集した数を競い合ったり、交換を目的として集まったりといったより積極的な利用を推進するもののようです。ナイアンティックのシナリオライター、フリント・ディル氏もロサンゼルスで実地実験を行いました。 |
ハンクのネスト調査 前年のビアノワール・アノマリー終結後、ハンクはヤーハンからの連絡で取引を提示されていました。ローマでヤーハンが入手したと思われるハウクラフト文書と引き換えに、アンチマグナスが残していた古代のネスト調査を依頼されたのです。これまで謎の空間とされてきたネスト内部の詳細な様子は、このときまさに行われていたフェイト・オブ・サーティーンとの奇妙な符合を見せていました。 |
現実世界の科学・考古学分野を中心とした様々なニュースや論文が、シャポーの調査サイトやアコライト率いるSETAI(人工知能倫理待遇協会)の投稿で取り上げられるようになり、イングレスの世界とリアルタイムな現実世界との関わりにも関心が向けられました。 |
13マグナス・リアウェイクン・キャンプ(2017年5月) |
謎のイベント告知
シャード戦のさなか、不意に謎のイベント告知がイングレス・ニュースレターに掲載されました。後に詳細が発表され、これが5月19日からの3日間カリフォルニアの宿泊施設「キャンプ・ナヴァロ」で行われる、史上初のキャンプ・イベントであることが明らかになります。そこで行われた主なアクティビティは、「ポータル・ルミナンス・プロジェクト」そして「リモート・パーティシペーション実験」の2つでした。
ポータル・ルミナンス・プロジェクト(PLP)
事前に選抜された13チームが独自に設計したリアル・ポータルを現地に構築。完成したポータルは実際にイベント中スキャナーやインテルマップ上に出現し、局地的なアノマリーも発生しました。このポータルには前年のビアノワール・アノマリーで破壊されたテクトゥルフの一部を研究・改良した「テクトゥルフ・モジュール」が導入され、ポータルのXM状況を観測・制御するメカニズムを実装していました。
13の選抜チームにはエンライテンド、レジスタンス、両陣営混成の構成があり、それぞれにナイアンティック・マグナスと同じ13種のアーキタイプが割り当てられていました。現地の調査に赴いたハンク・ジョンソンからは、後にこのとき構築されたポータルの映像レポートが発表されています。
リモート・パーティシペーション実験(RPE)
もうひとつの目玉はテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(TRPG)でした。正確には「リモート・パーティシペーション(遠隔参加)」実験といい、高濃度のXM環境下で実施されることにより、プレーヤーの行動が離れた場所や時間の「現実」に対して実際に影響を及ぼすことができるというものでした。
この実験はこの後もたびたび実施され、ここからのイングレス・ストーリーにおいて重要なキーワードとなっていきます。
フェイト・オブ・トゥエルブ
一方、先般のシャード戦でナイアンティック・マグナス13人中12人の決定権を掌握したエンライテンドは専門チームを立て、両陣営さまざまな立場からの意見を取り入れつつ議論を行いました。
その結果、ローランド・ジャービスを除く11人全員をマグナスから解放することを決定。どちらの陣営も権限を持たなかったオリバー・リントン=ウルフと、2名がマグナスに残されました。この決定は後にナイアンティック研究者たちにも伝えられているようです。
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この頃には、こんな出来事もありました。
ナヴァロのキャンプに際しP.A.シャポーが公開した画像には、テクトゥルフのものと思われる第3のメッセージが隠されていました。このイベントにテクトゥルフが関係していることが、早い段階で示唆されていたのです。 |
4月1日から2日にかけて、スキャナー上ではストーリー最初期に漏洩したナイアンティック計画関連の文書11種類がメディアとなって出現しました。タイミング的にエイプリルフールだったのですが、資料の内容に当時との差異は見つからず、単純に振り返りのイベントだったと思われます。 |
キャンプ・ナヴァロでは、全13ページに及ぶイングレス調査関連の資料も発見されました。これまでのストーリーに登場した主要なキーワードからエージェントの陣営、各種スキャナー用語までカバーした総合資料集とも言える、貴重な文書です。 |
エージェント・オリンピアード(2017年6月) |
キャンプ・イベントが迫る中、IQテック・イーストを率いる日本人研究者・司アキラが進める何らかの計画についての情報が浮上。国内外からオーディションで選抜されたエージェントらが山梨県の富士急ハイランドに集められ、フィールド・エージェントの訓練方法改善を目的とした大規模な競技会が実施され、エンライテンドが勝利を収めています。
当日の様子はニコニコ生放送(アーカイブ視聴にはプレミアム会員登録が必要)のほか、コダマ・スマイルズからもレポートされました。終始お祭りムードで進行したイベントでしたが、その裏で参加エージェント達は当日ずっと監視・計測されていたことが後に判明しています。
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この頃には、こんな出来事もありました。
伊藤園トランスミューター(+、-)の実装 オリンピアード競技の生放送中に、新たな2種のMOD実装が発表されました。ポータルからのハックアイテムを制御するこのMODは、5月のキャンプ・イベントで導入されたテクトゥルフ・モジュールの研究成果によって実現されたといいます。スキャナーへは7月より実装されました。 |
13マグナス・リアウェイクン・アノマリー(7月~9月) |
タイコの正体
イングレス始まりの事件──謎のアーティスト・タイコがサンディエゴのコミックコン会場で「啓示の夜」を予言したポスターをばら撒き、「ナイアンティック計画」の名を世に知らしめたあの事件から5年、ふたたびサンディエゴに注目が集まりました。ミスティ・ハンナが、タイコの行方を探している。タイコとは一体何者なのか?
コミックコン2017当日、現地に集まったエージェントたちの調査により、「タイコ」とは特定の人物ではなく、ナイアンティック号の乗員たちが生み出したテクトゥルフであったことが明らかになったのです。
それまでに知られていたテクトゥルフとは大きく違い、タイコは人の精神を渡り歩く精神体、あるいは幽霊のような存在でした。これにより「テクトゥルフ」という存在の定義が再び曖昧になり、大きな謎となって残されてしまったのでした。
マインドパレスRPE
コミックコンで発見されたタイコの新たなポスターに示唆されていたのは、「記憶の宮殿」と呼ばれる古典的な記憶術の一種でした。ミスティ・ハンナは自らの精神を守るために、この「記憶の宮殿」を構築していました。いつしかそれは単なる記憶術ではない、広大な精神の迷宮と化していたのです。ミスティはアノマリーのエネルギーを利用して、エクソジェナスを自身の記憶の宮殿へと誘い込もうと考えていました。ところがアノマリー1日目が過ぎると、ミスティの消息が途絶えてしまいます。
そんな中で告知されたカリフォルニア州バーバンクでの「記憶の宮殿(マインドパレス)」リモート・パーティシペーション実験(RPE)で、エージェントたちはミスティの「記憶の宮殿」を探索し、彼女から「記憶の宮殿」を構築する方法を学びました。ミスティはこのRPEで学んだことを広め、ポータル・ネットワークを増強する必要性を訴えました。これに応えるかのように、長らく停止されていたポータル申請の受付が再開されています。
司アキラのノーベンバー・リマ・プログラム掌握
ミスティの「記憶の宮殿」に興味を示したのが、IQテック・イーストの日本人研究者・司アキラでした。自らミスティに接触を働きかけつつ、一方ではXM検出車両ノーベンバー・リマの管理権限を掌握しようとしていました。彼女はミスティが呼び寄せたエクソジェナス...正確にはそれはエクソジェナス・プレカーサー(先駆体)というものでしたが...それらとNL-1331車輛を介して接続を試みようとしていました。ここでシェイパーとナジーア、どちらのエクソジェナスと接続するかが、アノマリー2戦目の争点となりました。
アノマリーは2戦目もエンライテンドが勝利し、この世界とシェイパーとの繋がりは更に強くなります。
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この頃には、こんな出来事もありました。
アンチマグナス宝物庫盗難事件 7月、アンチマグナスのプライム・アーティファクトが収められた宝物庫で盗難未遂があったとヤーハンから連絡を受けたハンクは、事件の調査に赴きました。犯人の正体は明らかではないものの、どうやらRPE技術を利用して侵入した模様。屋敷にもともと仕掛けられていた罠のために、犯行は未遂に終わっています。自らもアズマティの跡を継いで13マグナスのリーダーとなっていたハンクは、ヤーハンの屋敷や彼女の話から様々な知見を広めたようです。 |
ムスタファ・サイード氏によるノーベンバー・リマ公開調査 司アキラによるNL1331管理権限の掌握を受け、アメリカのストーリー研究コミュニティ「オペレーション・エセックス」メンバーであるムスタファ・サイード氏は、この謎多き車輛に関するこれまでの経緯をまとめた調査資料を発表しました。当初の車輛だけでなく、その後バリエーションを増やしながら世界各地に展開された一連のシリーズ車輛についてもまとめられ、このプロダクトに関する貴重な総合資料となっています。同時にムスタファ氏はエージェントらに情報提供を呼びかけ、公開調査を行いました。 |
後編に続きます。
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