【後編】2017~18年のストーリー【1218終結】

2012年から続いてきたイングレスのストーリーは、2018年の春にひとまずの完結を迎え、新たな世界「オシリス」を舞台に再スタートすることとなりました。その最後の年となった2017年からのお話をまとめました。こちらは後編です。前編はこちら
エクソファイブ・アノマリー(10月~12月)

NIA連続殺人事件

9月に「記憶の宮殿」RPEが行われていた頃、突如「NIAの広報担当ケン・オーウェンが殺された」との知らせが舞い込みます。その1ヶ月後にはワシントンDCにあるNIA支部で謎の爆発事件が発生、施設内で会談中であったNIA局長代理ジェイ・フィリップス、IQテックのエゼキエル・カルヴィンの2人がこの爆発に巻き込まれて死亡するという異例の事態となりました。

2つの事件は連続殺人事件と考えられ、P.A.シャポーやハンクが調査に乗り出し、容疑者の洗い出しや推理が行われましたが、依然として真相のほとんどは解明されないままとなっています。

デヴラの研究記録

その頃、デヴラが初期のスキャナーにも関連する何らかの研究を進めていたことが明らかになります。この研究成果が、アノマリー1日目の勝利陣営に引き渡されることとなりました。

ハンクがNIA新トップに就任

アノマリー初日、ハンクはヒューストンに赴き、ホワイトハウス次官ショー・ヘンソンから死亡したフィリップスの後任としてスカウトされました。つまり空席となったNIAのトップを継いでほしいと言うのです。ハンクは大いに悩んだ末、この大任を受けることを決心しました。

エクソジェナス・プレカーサー・シャードの出現

エクソファイブ・アノマリー1日目の翌日、世界各地に突如5片のシャードが出現しました。しかしこれらのシャードに関して公式からは特段の説明もなく、シャード戦には必須のターゲットポータルもないまま、アノマリー2日目を前に消失しました。正体も目的も不明なシャードの扱いに現地エージェントたちは困惑したのか、いずれもそれほど大規模な移動は行われずに終わっています。

シャードに付された名称が「EXOPRE(数字)」だったことから、先の13マグナス・リアウェイクンで言及されていたエクソジェナス・プレカーサーが顕現したものではないかと憶測されていました。この件についてP.A.シャポーも把握していたことが仄めかされ、関与が疑われた司アキラへの追求を試みていますが、これといった情報は掴めていません。

アノマリー1日目の前日には米コロラド州ボルダーにてRPE実験が実施されており、そのシナリオ中にもシャードが出現していたことがわかっています。このRPEの影響により顕現したシャードだった可能性もありますが、当時の詳細なシナリオは公開されていないため、確証はありません。

シャポーが司アキラに接触

アノマリー初日に大阪を訪れていたP.A.シャポーでしたが、来日の目的は司アキラの情報をつかむことにありました。1日目が終わると数日シャポーの消息は途絶え、後に東京で彼女との接触に成功したことが報告されました。しかしその会見は明らかにシャポーにとって不利な状況で実現され、決定的な情報が得られたとは言い難い成果となっています。

重要人物たちがサンフランシスコに集結

そして最終戦となるアノマリー2日目が近づくと、P.A.シャポーだけでなくデヴラミスティアキラ、さらにはアコライトまでもが、その日サンフランシスコに現れることが次々に明らかになります。この時点で2日目の争点は依然明かされないままでしたが、これまでに例を見ないほどのキャラクターたちの集結は、なにか大きな出来事を予感させました。

一方、NIAのトップに就任したばかりのハンクは台北へ、そしてエストニアのタリンにはADAが現れることが予測されていました。

イングレス・プライムの発表

2017年最後のアノマリーが開幕すると、堰を切ったように動画を中心とする多くの情報が次々にもたらされました。しかしそれら映像のほとんどが意味するところは不明確で関連する続報もなく、これらの多くは現在でも謎のままとなっています。

この日に最も大きなニュースとなったのは、次世代のスキャナーが発表されたことでした。物語はついに終結へと向かい始めたのです。それまで「イングレス2.0」と仮称されてきた新たなスキャナーの名は「イングレス・プライム」。その後、リリース前のテストには大幅な遅れが生じ、最終的にエージェントたちがその新たなスキャナーを手にしたのは、翌2018年11月のことでした。

アノマリー終結後にも、当日の情報に関係すると見られる映像や、その後シャポーがロンドンの調査に向かったことを示す映像などが多数公開されましたが、いずれもそれ以上の説明はなく、不可解なものばかりでした。

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この頃には、こんな出来事もありました

NL-PRIMEが台湾へ

大型バスタイプのXM車両NL-PRIMEが初めて日本を離れ、台湾で運行されることが発表されました。のちの現地エージェントの証言によれば、法規上の何らかの事情により実際には乗客を乗せての運行は実施されず、停車状態での公開展示にとどまったとのことです。

パッセージ・オブ・オシリス(2018年01月~04月)

セントラル・オムニリティクス社による調査報告書

エクソファイブ・アノマリー2日目を目前にした11月末、全3ページの調査報告書が開示されました。調査した企業はセントラル・オムニリティクスという、これまでに聞いたことのない調査会社であり、報告書にはアノマリー2日目の重要人物たちの動向前年のNIA連続殺人事件の経緯、そして2012年に起きた「啓示の夜」事件の概要が述べられていました。ほとんどは既に周知となっていた事実でしたが、それまでに知られていたのとは違った奇妙な事実も記載されていました。

その後さらに年明けを挟んで、同企業からの全9ページに及ぶ調査報告書が現れます。どうやらこの調査にはNIAとホワイトハウスが関与しており、今回の報告は前年発生した連続殺人事件にまつわるものでした。内容は調査の概要と参考文献事件の被害者および容疑者(ハンク・ジョンソンミスティ・ハンナデヴラ・ボグダノヴィッチP.A.シャポー司アキラADAアコライト)についての背景や身辺調査、そして最後には調査分析から推定された犯人の名が挙げられていましたが、その箇所は他の多くの重要事項と同様に塗りつぶされていました。

事件の犯人こそ謎のままでしたが、これらの報告書からは「啓示の夜」に関する新たな事実が浮上しました。チューリッヒ駅前でデヴラの身代わりとなり、ジャービスもろとも殺された女性の名はトワイラ・クリッペといい、その正体が現在のアコライトである可能性が示唆されていたのです。

報告書の黒塗り部分については推理解読が広く募集され、報酬も提示されましたが、その後2022年11月現在までに内容は開示されておらず、真相は依然謎のままとなっています。

シカゴのリモート・パーティシペーション実験

新たにNIAを率いることとなったハンク・ジョンソン最初の取り組みは、シカゴで実施されるRPE実験でした。この実験には前年9月にRPEの焦点となったミスティ・ハンナも協力を要請されていました。

今回の実験でエージェントたちは大戦中のシカゴへと侵入し、マンハッタン計画にテクトゥルフが関係していたことを突き止め、その起動を阻止しました。この任務からの帰還に際し、2016年末に生死不明となっていたはずのオリバー・リントン=ウルフ博士が再び登場しましたが、その後彼がどうなったのかは不明のままとなっています。

ダークXMの脅威と対処(DarkXM Cure)

3月、アノマリーとは違う新たなイベントが発表されました。正体不明の科学者がポータルネットワーク上にダークXMを利用したシステム拡散を目論んでおり、この計画の阻止が要請されました。具体的には、脆弱性のある中立ポータル(白ポータル)のキャプチャ、指定ポータルへのスターバーストおよびリンク構築が求められ、報酬を伴う陣営戦の形となりました。

最終的にこの任務は4月に福岡で実施されたXMフェスティバルへと続き、ダークXMの脅威は封じられることとなりましたが、黒幕の科学者が誰であったのか、これまでのストーリーとの関連性などについては不明のままです。

新たな世界「オシリス」へ

そして福岡XMフェスティバルでは、新たに1本の映像が公開されました。司アキラとハンク・ジョンソンらしき2人が語った、驚くべき事実。それはこの世界がマルチバース構造をしており、「啓示の夜」から始まった一連の出来事は、いくつもの宇宙をドミノのように渡ってきた、他世界からの影響だということでした。そして私達もまた「次の世界」へとこのXMを引き渡し、その影響を制御しなければならない、と。

このことが意味するのは、新たな宇宙で始まる新たなストーリーの始まり。そしてこの世界で続いてきた物語の、ひとまずの終焉でした。私たちは新たな世界「オシリス」で起こる第2の「啓示の夜」へと歩を進める事になったのです。

「インベスティゲイト・イングレス」の更新停止

2月の中頃から、それまでほとんど毎日更新されてきたP.A.シャポーの調査サイト「インベスティゲイト・イングレス」の更新が、次第に滞るようになります。それでも時折現れてはニュース記事の投稿などを続けていましたが、4月17日の投稿を最後に更新は休止し、7月8月にカサンドラプライム・アノマリー関連で投稿した数件を最後に完全に停止。後にこのウェブサイトは完全に消滅し、現在では見ることができなくなっています。

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この頃には、こんな出来事もありました

シャポーのアスク・ミー・エニシング

エクソファイブ・アノマリー終結後程なく、P.A.シャポーが新たな調査に先立ち自らのことを明かそうと発言、エージェントたちから寄せられた多くの質問に答えました。ストーリーの中心人物でありながら、それまであまり知られていなかったシャポーの過去や人物像についてなどが明かされています。

長期イベントスケジュールの発表

2月、イングレス公式アカウントが1枚の機密文書を開示しました。多数の黒塗りが施された文書には暗号が隠されており、エージェント達によって解読された文書には3月に発生するダークXMオペレーションのみならず、続いて2019年までに発生するアノマリーの日程と場所までが明かされていたのです。

これほどの長期にわたるイベントスケジュール予告は、前例を見ないものでした。

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...こうして、イングレスの最初期から続いてきた長い長い物語は、ひとまずの幕引きを迎えたのでした。

しかし、最後の1年あまりとなったこの期間に浮上した様々な情報が未解決のままに終わっています。そのいくつかには最近になって新たな手がかりが現れたものもありますが、ほとんどは今も未解決のままです。あるいはその手がかりに、私達がまだ気づいていないだけなのかもしれませんけれど...。

物語の舞台は1218世界を離れ、別世界へと移っていきましたが、これから訪れる新たな世界、新たなストーリーの手がかりも、きっとこれらの中に眠っているのではないでしょうか。

ここから先を含む2021年までのストーリー総集編は、以下をご覧ください。

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